初心者向け連載 | 第5回(最終回) | 公開:2026年5月7日
仕訳から財務諸表へ
【ゼロからの簿記 第5回・最終回】
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
いよいよ最終回です。第4回で学んだ「仕訳」が積み重なると、財務諸表ができあがります。
このシリーズで学んだことを全部つなげて、簿記の全体像を完成させましょう。
最後に「次のステップ」として、日商簿記3級への道も紹介します。
仕訳を積み重ねると財務諸表になる
お店や会社では、取引が起きるたびに仕訳を書きます。1日に何十件も取引があれば、仕訳も何十枚と積み重なっていきます。
下は1ヶ月の仕訳の例です。
これらの仕訳を勘定科目ごとに合計すると…
- 売上の合計:50,000 + 80,000 = 130,000円
- 仕入の合計:20,000円
- 給料の合計:30,000円
- 現金の増減:+50,000 −20,000 +80,000 −30,000 = +80,000円
この合計値を整理すると、財務諸表が自動的にできあがります。
財務諸表のできあがり
損益計算書(P/L)— 1ヶ月の儲け
売上130,000
仕入(費用)△20,000
給料(費用)△30,000
利益80,000
貸借対照表(B/S)— いまの財産
現金(資産)80,000
借入金(負債)△0
純資産80,000
仕訳を積み重ねるだけで、「今月いくら儲かったか(損益計算書)」と「いま会社にいくら財産があるか(貸借対照表)」が同時に作れました。これが複式簿記の強さです。
💡 ポイント:仕訳の左右が財務諸表を作る
仕訳の右(貸方)に「売上」が積み重なれば損益計算書の売上欄に集計され、左(借方)に「現金」が積み重なれば貸借対照表の現金欄になります。仕訳を書く→合計する→財務諸表完成、という一本の流れです。
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受験生
仕訳を集計するだけで財務諸表ができるって、すごくシンプルですね。もっと複雑なのかと思ってました。
📚
大谷(簿記1級勉強中)
仕組み自体はシンプルです。でも実際には何百・何千もの仕訳があり、勘定科目の種類も増え、期末の調整(決算整理仕訳)もあります。それを体系的に整理する技術が「簿記」です。基礎の仕組みがわかっている今なら、テキストの内容が格段に理解しやすくなっているはずです。
🐣
受験生
5回読んで、なんとなく全体像がつかめた気がします!
📚
大谷(簿記1級勉強中)
それがこのシリーズのゴールでした。あとは実際にテキストを開いて、手を動かすだけです。最初の1問が解けた瞬間の感覚、ぜひ味わってください。
🎓
ゼロからの簿記シリーズ、完走おめでとうございます!
取引 → 仕訳 → 財務諸表という簿記の全体像を5回でつかみました。
次は実際のテキストで手を動かしましょう。基礎がわかった状態で始めると、最初の壁がぐっと低くなります。
次のステップ:日商簿記3級から始めよう
簿記をもっと深く学びたくなった方には、日商簿記3級からスタートすることをおすすめします。私も最初に勉強した入口がここでした。
🥉
日商簿記3級(まず目指すゴール)
勉強時間の目安:50〜100時間。仕訳・帳簿・財務諸表の基礎を習得。就活でも評価される入門資格。
↓
🥈
日商簿記2級
3級取得後の次のステップ。商業簿記+工業簿記。200時間前後。就職・転職に強い。
↓
🥇
日商簿記1級 / 公認会計士 / 税理士
上位資格へ。専門性が一気に上がる。私は現在1級を目指して勉強中です。
3級で学べること
- 仕訳のルール(借方・貸方)を体系的に習得
- 約60種類の勘定科目とその使い方
- 約束手形・売掛金・買掛金などのビジネス用語
- 減価償却・引当金などの会計処理
- 損益計算書・貸借対照表の作成
📌 大谷からのアドバイス
3級は「難しい資格」ではありません。私の感覚では、毎日30分を3ヶ月続ければ合格圏内に入れます。ただし「毎日続ける」のが一番難しい。勉強記録を付けて、少しでも楽しく継続できる工夫をしてみてください。スタディクエストはそのために作ったアプリです。
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このシリーズで学んだこと — 総まとめ
- 第1回:取引=財産の変動 / 簿記=取引を決まったルールで記録すること
- 第2回:簿記は経理だけでなく、すべての社会人に役立つビジネスの言語
- 第3回:取引→仕訳→1年積み重ね→財務諸表(損益計算書・貸借対照表)の流れ
- 第4回:複式簿記の仕訳、借方(左)・貸方(右)、勘定科目の役割
- 第5回:仕訳を集計すると財務諸表が自動的にできあがる仕組み
全5回を通して、簿記の「なぜ」と「全体像」をつかんでもらえたなら、このシリーズは成功です。次は実際にテキストと問題集で手を動かしてみてください。詳しい勉強法・スケジュール・おすすめテキストは下記の記事にまとめています。
📖 簿記3級・2級の勉強法・スケジュールを読む →