初心者向け連載 | 第3回 | 公開:2026年5月7日 | 更新:2026年5月12日
簿記の流れ・決算書とは?
初心者向けに3ステップで解説
【ゼロからの簿記 第3回】
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
第1・2回で「取引とは何か」「なぜ簿記が大事か」がわかりました。
今回はいよいよ「簿記の全体像」を見ていきます。ここを理解すると、これ以降の勉強がぐっとラクになります。
ゴール地点がわかれば、山の登り方も見えてくるはずです。
先に結論
簿記の流れとは、会社の取引を仕訳でメモし、帳簿に集計し、最後に決算書(財務諸表)としてまとめる流れです。決算書の代表例が、損益計算書と貸借対照表です。
簿記の流れとは?3ステップで理解する
簿記の作業は大きく3つのステップで進みます。①取引をメモする → ②メモを積み重ねる → ③1年分をまとめて報告書にする、という流れです。
①
取引が起きたらメモする
商品を買った・売った・給料を払ったなど、お金や財産が動くたびに記録する。このメモが「仕訳(しわけ)」です。
↓
②
メモを1年間積み重ねる
1日分、1ヶ月分と積み重ねて、会社の1年間の全取引を記録していく。帳簿(ちょうぼ)と呼ばれるノートに整理する。
↓
③
1年分をまとめて「財務諸表(決算書)」を作る
1年間の記録を整理して、報告書を作る。これを「決算(けっさん)」といい、できあがった報告書が「財務諸表(ざいむしょひょう)」です。
💡 ポイント
簿記の最終ゴールは「財務諸表を作ること」。取引をメモする作業(仕訳)は、あくまでそのための手段です。ゴールを意識して勉強すると、なぜこのルールが必要なのかが見えてきます。
🐣
受験生
「1年間」区切りで決算するのはなぜですか?
📚
大谷(簿記1級勉強中)
「1年間でいくら儲かったか」を定期的に確認するためです。銀行・税務署・株主など外部の人も「去年と比べてどうだったか」を見たいので、同じ期間で比較できるよう1年が基本になっています。会社によっては3月末を1年の終わり(3月期決算)にするところも多いですね。
🐣
受験生
3月決算ってよく聞く言葉でした。そういう意味だったんですね!
財務諸表(決算書)とは?
財務諸表は、1年間の取引の記録をまとめた「会社の成績表」です。代表的なものが損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の2つです。
📈
損益計算書
そんえきけいさんしょ(P/L)
1年間でいくら儲かったかを表す。売上・費用・利益が書かれている。
🏦
貸借対照表
たいしゃくたいしょうひょう(B/S)
決算日時点で会社にどれだけ財産があるかを表す。資産・負債・純資産が書かれている。
損益計算書(P/L)— 会社の「家計簿の1年分まとめ」
損益計算書は「Profit & Loss Statement」の略でP/Lとも呼ばれます。シンプルに言えば、1年間でどれだけ稼いで(売上)、どれだけ使ったか(費用)、結果いくら残ったか(利益)が書いてある書類です。
たとえば年商1億円の会社が、仕入れ・人件費・家賃などで8,000万円使ったなら、利益は2,000万円です。この「1億 − 8,000万 = 2,000万円の利益」を整理して表にしたものが損益計算書です。
貸借対照表(B/S)— 会社の「いまの財産一覧」
貸借対照表は「Balance Sheet」の略でB/Sとも呼ばれます。決算日(たとえば3月31日)時点で、会社が何を持っているか(資産)・誰かから借りているか(負債)・自分のお金がいくらあるか(純資産)を表します。
CPAの勉強をしているとき、私はB/Sを見て「この会社は現金がほとんどなく、借入金が多い。財務的に厳しいな」と読み取れるようになりました。簿記を学ぶとニュースで企業の決算が発表されたとき、このように実態が見えるようになります。
SUMMARY
損益計算書=1年間の儲け / 貸借対照表=いまの財産の状態
🐣
受験生
損益計算書と貸借対照表、両方作らないといけないんですか?
📚
大谷(簿記1級勉強中)
そうです。1年間の取引を仕訳で積み重ねると、自然と損益計算書(儲けの合計)と貸借対照表(財産の状況)の両方が導き出されます。これが簿記の仕組みの美しいところで、「複式簿記」と呼ばれます。第5回で詳しく解説します。
🐣
受験生
「複式簿記」という言葉が出てきました!第5回が楽しみです。
📚
大谷(簿記1級勉強中)
次の第4回で「仕訳のしくみ」を学べば、複式簿記がなぜうまくできているか実感できます。まずは「流れの全体像」を頭に入れておいてください。
第3回のまとめ
- 簿記の流れ:①取引をメモ → ②1年間積み重ねる → ③財務諸表を作る
- 財務諸表(決算書)が簿記の最終ゴール
- 損益計算書(P/L)=1年間でいくら儲かったかを表す
- 貸借対照表(B/S)=決算日時点の財産の状態を表す
- 全体像がわかると、仕訳(第4回)の意味が理解しやすくなる
よくある質問
簿記の流れとは何ですか?
取引を仕訳し、帳簿に集計し、最後に決算書(財務諸表)を作る流れです。初心者は「取引 → 仕訳 → 帳簿 → 試算表 → 決算書」の順で覚えると整理しやすいです。
決算書とは何ですか?
会社の1年間の取引をまとめた報告書です。代表的な決算書には、儲けを表す損益計算書と、財産の状態を表す貸借対照表があります。
簿記初心者は最初に何を覚えるべきですか?
細かい勘定科目を暗記する前に、簿記が決算書を作るための流れだと理解することが大切です。そのあとに仕訳のルールへ進むと、学習がつながりやすくなります。
📌 次回予告
第4回は「仕訳のしくみ」。取引をどうやってメモするのか、その独特なルール(借方・貸方)を具体例で解説します。最初は戸惑う人が多いですが、コツをつかめば必ず理解できます。
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