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簿記 > 流れで覚える現金過不足の仕訳
日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日
流れで覚える現金過不足の仕訳
雑損・雑益まで完全解説
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
現金を数えたら帳簿と合わない——実務でも試験でも頻出の状況です。
現金過不足は「①実査 → ②原因判明 → ③決算整理」の3つのフェーズで処理します。
流れを把握してしまえば、雑損・雑益の判断も迷わなくなります。
受
現金を何回数えても帳簿と合わないんですが、どうすればいいですか…?
まず「現金過不足」という勘定科目で一時的に記録しておきましょう。原因がわかったときに正しい科目に直せます。
師
受
決算まで原因がわからなかったらどうなりますか?
その場合は「雑損」か「雑益」に振り替えます。これが3つ目のフェーズです。順番に見ていきましょう。
師
現金過不足の3ステップ
STEP 1
🔍
現金実査
帳簿と実際を合わせる
相手は「現金過不足」
→
STEP 2
💡
原因判明
「現金過不足」を
正しい科目に振替
→
STEP 3
📅
決算整理
残った過不足は
雑損 or 雑益へ
STEP 1:現金実査をしたとき
毎日(または定期的に)現金を数え(これを実査といいます)、帳簿残高と比較します。差額が出た場合は現金過不足という勘定科目で処理します。
実際有高 > 帳簿残高
現金が帳簿より多い
帳簿の現金をプラスする。
相手科目は現金過不足(貸方)。
帳簿 ¥100,000 → 実際 ¥100,100
差額 ¥100
実際有高 < 帳簿残高
現金が帳簿より少ない
帳簿の現金をマイナスする。
相手科目は現金過不足(借方)。
帳簿 ¥100,000 → 実際 ¥99,000
差額 ¥1,000
実際有高が多い場合(帳簿 ¥100,000 → 実際 ¥100,100)
実際有高が少ない場合(帳簿 ¥100,000 → 実際 ¥99,000)
💡 考え方:「現金過不足」自体に特に意味はありません。帳簿残高を実際有高に合わせるために現金を動かし、その相手勘定として使う一時的な科目です。
STEP 2:現金過不足の原因が判明したとき
原因が判明したら、「現金過不足」を正しい科目に振り替えます。現金過不足を消して(反対側に書いて)、正しい科目を計上します。
問題
現金過不足額¥10,000(貸方)のうち、¥2,000は受取手数料の記入漏れであることが判明した。
解答
💡 解説:現金過不足が貸方にある(¥10,000)→ 消すために借方に書く。受取手数料は収益なので貸方。残り¥8,000の現金過不足はまだ残ったまま(STEP 3へ)。
STEP 3:決算整理(雑損・雑益への振替)
決算時点でまだ現金過不足が残っていたら、原因不明として雑損または雑益に振り替えます。
受
雑損と雑益、どっちを使えばいいか毎回迷います…
迷わなくて大丈夫です。「現金過不足を消す(反対側に書く)」→ 残った側が左なら雑損、右なら雑益。それだけです。費用は左・収益は右、という基本に従えば自然に決まります。
師
⚠ 雑損 vs 雑益の見分け方:
現金過不足を消した後、残った側が左(借方)→ 雑損(費用)、右(貸方)→ 雑益(収益)。
借方残高の現金過不足は「実際が少なかった(損した)」から雑損。貸方残高は「実際が多かった(得した)」から雑益。
雑損になるパターン①:現金過不足が借方残
問題
現金過不足の残高は¥500(借方)である。原因不明のため適当な科目に振り替える。
解答
💡 解き方:現金過不足(借方)を消す → 貸方に「現金過不足」500。反対側(借方)が残るので「雑損」。
雑損になるパターン②:現金過不足勘定なし・決算直接処理
問題
期末の現金実際有高は¥300、帳簿残高は¥320である。差額は雑損又は雑益として処理する。
解答
💡 解説:現金過不足を使わず決算で直接処理するパターン。実際 ¥300 < 帳簿 ¥320 なので現金を ¥20 マイナス(貸方に現金)。反対側(借方)は雑損。
雑益になるパターン:一部原因判明+残額を雑益処理
問題
現金の実際残高が帳簿残高より多かったため、現金過不足額(貸方)¥8,000で処理されていた。このうち¥6,000は受取手数料の記入漏れ、残額は原因不明のため適当な科目に振り替える。
解答
💡 解き方:現金過不足(貸方 ¥8,000)を消す → 借方に「現金過不足」¥8,000。受取手数料 ¥6,000 を貸方へ。差額 ¥2,000 は貸方なので「雑益」(収益)。
まとめ
📋 現金過不足 処理ルール一覧
実際有高 > 帳簿:差額分
→ 借方「現金」/貸方「現金過不足」
実際有高 < 帳簿:差額分
→ 借方「現金過不足」/貸方「現金」
原因判明(例:受取手数料の漏れ)
→ 現金過不足を消し、正しい科目へ
借方残の現金過不足が決算まで残った
→ 借方「雑損」/貸方「現金過不足」
貸方残の現金過不足が決算まで残った
→ 借方「現金過不足」/貸方「雑益」
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