日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日
現金・当座預金の違いと仕訳
小切手の処理を完全解説
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
「現金ってお札と硬貨だけじゃないの?」——簿記を勉強し始めると、現金の定義が日常感覚とズレていることに気づきます。
小切手を受け取ったとき「現金」になるのか「当座預金」になるのか、ここを正確に判断できるかどうかが試験の分かれ道です。
今回は現金と当座預金の違いを、例題を通して丁寧に整理します。
当座預金・小切手の仕組み
当座預金は、小切手を振り出す(発行する)ための専用口座です。普通預金と違って利息がつきませんが、代わりに決済手段として小切手を使えます。
そうです。「この銀行口座からお金を出してください」という指示書です。渡した側は当座預金が減り、受け取った側は現金として扱えます。
師
受
じゃあ小切手をもらったら「現金」で記録するんですね?
基本はそうです。ただし「自分が出した小切手が戻ってきた場合」は「当座預金」になります。これが一番よく出るひっかけポイントです。
師
「現金」とは?簿記での定義
日常語の「現金」はお札・硬貨ですが、簿記ではすぐに換金できる通貨代用証券も現金として扱います。
○ 現金
現金として仕訳するもの
💴 紙幣・硬貨
📄 他店(他社)振出しの小切手
取引先からもらった小切手
📮 送金小切手・郵便為替証書
× 現金ではない
現金と間違えやすいもの
📝 当社振出しの小切手(自己振出小切手)
→ 当座預金で処理
⚠ 暗記ポイント:郵便切手と収入印紙は「現金ではない」。期中に使ったら費用(通信費・租税公課)、期末に未使用のものが残ったら「貯蔵品」(資産)に振り替えます。
自己振出小切手(当社振出しの小切手)
ここが最も出題されやすいポイントです。自分が振り出した小切手が手元に戻ってきた場合は「当座預金」として処理します。
受
なんで「当座預金」なんですか?小切手をもらったんだから「現金」じゃないですか?
小切手を振り出したとき、当座預金をマイナスしましたよね?その小切手が戻ってきたということは、まだ銀行で換金されていない。つまり「当座預金のマイナスを取り消す」必要があるんです。
師
受
あ、なるほど!「なかったことに戻す」から、当座預金が増える(借方)んですね。
そのとおりです。「振り出した小切手が戻ってきた = 当座預金の復活」と覚えてください。
師
例題:自己振出小切手が戻ってきた場合
問題
商品¥20,000を販売し、代金として以前に当社が振り出していた小切手で受け取った。
解答
💡 解き方:「以前に当社が振り出していた小切手」というキーワードが出たら、借方は必ず「当座預金」。「現金」と書かないように注意。
まとめ:小切手の仕訳パターン一覧
📋 小切手の仕訳ルール
小切手を振り出した(渡した)
→ 当座預金 減る(貸方)
他社から小切手をもらった
→ 現金 増える(借方)
前に渡した当社の小切手が戻ってきた
→ 当座預金 増える(借方)
小切手をもらってすぐ当座預金に入金した
→ 当座預金 増える(借方)
例題で確認しよう
パターン①:小切手を振り出した(基本)
問題
仕入先に商品¥300を注文し、手付金として¥200の小切手を振り出して渡した。
解答
パターン②:他社から小切手をもらった(基本)
解答
問題②
売掛金¥300が取引先振出しの小切手により回収された。
解答
パターン③:もらった小切手をすぐ当座預金に入金
問題
得意先より手付金として得意先振出しの小切手¥30を受け取り、直ちに当座預金に預け入れた。
解答
💡 ポイント:「直ちに(すぐに)当座預金に預け入れた」という文言があると、現金を経由せず直接「当座預金」になります。
パターン④:「現金残高はいくらか」問題での注意
問題
金庫に以下のものが保管されていた。現金の実際残高はいくらか。
・紙幣・硬貨 ¥500
・当社振出しの小切手 ¥100
・他店振出しの小切手 ¥200
・郵便切手 ¥50
解答
現金 = ¥500 + ¥200 = ¥700
💡 解説:当社振出しの小切手(自己振出)と郵便切手は現金ではありません。含めないように注意。他店振出しの小切手は現金として数えます。
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