日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日

総合原価計算とは?
平均法・先入先出法・月末仕掛品を解説【簿記2級】

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

総合原価計算は、同じ製品を大量生産するときに使う原価計算です。個別原価計算が「注文ごと」に原価を集めるのに対して、総合原価計算は「一定期間でまとめて」原価を集め、完成品と月末仕掛品に分けます。

先に結論:総合原価計算は「大量生産品の平均的な原価を計算する方法」です。最大の山は、月末仕掛品を完成品換算量で考えることです。

総合原価計算とは

総合原価計算とは、同じ製品を継続して大量に作る場合に、一定期間の製造原価をまとめて計算する方法です。食品、日用品、化学製品など、同じものを大量に作る生産に向いています。

個別原価計算では製造指図書ごとに原価を集めますが、総合原価計算では1か月などの期間で原価を集め、完成品と月末仕掛品に配分します。

個別原価計算との違い

項目個別原価計算総合原価計算
生産形態受注生産大量生産
原価の集め方注文・製造指図書ごと一定期間でまとめる
ポイントどの注文にいくらかかったか完成品と月末仕掛品にどう分けるか

総合原価計算の流れ

当月投入原価を集計する:材料費・労務費・経費など、当月に発生した製造原価を集める。
完成品と月末仕掛品を確認する:完成した数量と、まだ作りかけの数量を分ける。
月末仕掛品を完成品換算量に直す:加工進捗度を使って、完成品何個分かに換算する。
原価を完成品と月末仕掛品に配分する:平均法や先入先出法で金額を分ける。

完成品換算量とは

完成品換算量とは、作りかけの製品を「完成品何個分の作業量か」に直した数量です。総合原価計算で一番大事な考え方です。

完成品換算量 = 月末仕掛品数量 × 加工進捗度

たとえば月末仕掛品が100個、加工進捗度が40%なら、完成品換算量は40個です。材料は最初に全部投入する場合と、加工に応じて発生する場合で扱いが変わるので注意します。

平均法と先入先出法

方法考え方特徴
平均法月初仕掛品原価と当月投入原価を混ぜて平均する計算が比較的シンプル
先入先出法月初仕掛品を先に完成させたと考える当月投入分の原価をより明確に見る

簿記2級では、まず平均法で総合原価計算の全体像をつかみ、そのあと先入先出法との違いを整理すると進みやすいです。

例題で確認

当月投入原価が120,000円、完成品が500個、月末仕掛品が100個、加工進捗度50%だったとします。ここでは月初仕掛品なし、平均法の単純なケースで考えます。

項目数量
完成品500個
月末仕掛品100個 × 50% = 50個分
完成品換算量合計550個

1個あたり原価は、120,000円 ÷ 550個 = 約218.18円です。完成品原価は500個分、月末仕掛品原価は50個分として配分します。

よくあるミス

判断の軸:総合原価計算は「完成品」と「月末仕掛品」に原価を分ける問題です。月末仕掛品は作りかけなので、完成品換算量に直してから計算します。

まとめ

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よくある質問

総合原価計算とは何ですか?
同じ製品を大量生産する場合に、一定期間の原価をまとめて集計し、完成品と月末仕掛品に配分する計算方法です。
完成品換算量とは何ですか?
月末仕掛品を、完成品何個分の作業量にあたるかへ換算した数量です。月末仕掛品数量に加工進捗度をかけて求めます。
平均法と先入先出法の違いは?
平均法は月初仕掛品原価と当月投入原価を平均します。先入先出法は月初仕掛品を先に完成させたと考え、当月投入分を分けて計算します。

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