固定資産は、簿記3級でも学ぶ論点ですが、簿記2級では定率法、除却、廃棄、売却、買換えに近い判断まで問われやすくなります。ポイントは「取得原価を決める」「使った分を減価償却する」「手放すときに帳簿価額を消す」の3段階です。
固定資産とは、建物、備品、車両運搬具、機械装置など、長期間使うために保有する資産です。販売目的の商品とは違い、事業で使い続けるために持っています。
固定資産は、購入した年だけでなく複数年にわたって役立つため、購入額をすぐ全額費用にせず、使用期間に分けて費用化します。この費用化が減価償却です。
固定資産の取得原価には、購入代価だけでなく、その資産を使える状態にするための付随費用も含めます。
| 項目 | 取得原価に含めるか |
|---|---|
| 購入代価 | 含める |
| 購入手数料 | 含める |
| 据付費・試運転費 | 含める |
| 登録料・運送費 | 使用可能にするためなら含める |
| 修繕費 | 通常の維持管理なら費用処理 |
備品500,000円を購入し、据付費20,000円とともに現金で支払った場合、取得原価は520,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 備品 | 520,000 | 現金預金 | 520,000 |
減価償却とは、固定資産の取得原価を、使用する期間にわたって費用配分する処理です。簿記2級では定額法と定率法を中心に押さえます。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 定額法 | 毎年同じ金額を減価償却費にする |
| 定率法 | 期首帳簿価額に一定率をかけるため、初期ほど費用が大きい |
取得原価500,000円、残存価額0円、耐用年数5年の場合、定額法の減価償却費は毎年100,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 100,000 | 減価償却累計額 | 100,000 |
定率法では、期首帳簿価額に償却率をかけます。取得原価500,000円、期首減価償却累計額100,000円、償却率40%なら、期首帳簿価額は400,000円です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 160,000 | 減価償却累計額 | 160,000 |
除却とは、固定資産を事業で使わなくなり、帳簿から外す処理です。廃棄した場合や、使用をやめて処分を待つ場合に出てきます。
除却では、固定資産の取得原価と減価償却累計額を消し、帳簿価額が残っていれば固定資産除却損として処理します。
取得原価500,000円、減価償却累計額420,000円の備品を除却した場合、帳簿価額80,000円が損になります。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 減価償却累計額 | 420,000 | 備品 | 500,000 |
| 固定資産除却損 | 80,000 |
固定資産を売却したときは、売却額と帳簿価額を比べます。売却額が帳簿価額より高ければ固定資産売却益、低ければ固定資産売却損です。
取得原価500,000円、減価償却累計額300,000円の備品を150,000円で売却し、代金は現金で受け取ったとします。帳簿価額は200,000円なので、50,000円の売却損です。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金預金 | 150,000 | 備品 | 500,000 |
| 減価償却累計額 | 300,000 | ||
| 固定資産売却損 | 50,000 |
売却額が250,000円なら、帳簿価額200,000円との差額50,000円が固定資産売却益になります。
期中に固定資産を売却した場合、売却日までの減価償却費を月割りで計上してから売却仕訳を作る問題があります。