日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日

経過勘定・毎年同額の前払い保険料
なぜ残高を「18か月」で割るのか

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

「保険料の残高は12か月分のはずなのに、なぜ18か月で割るの?」と混乱していませんか?
これは再振替仕訳の6か月分が残高に混ざっているから。タイムライン図で順番に追えば、18か月の理由がスッキリわかります。

例題で確認する

例題

次の取引について決算整理仕訳を行いなさい。当期は1月1日〜12月31日。

保険料は全額、建物に対する火災保険料で、毎年同額を7月1日に向こう12か月分支払っている
支払保険料の決算整理前残高は¥180。

「毎年同額」がポイント!
「当期から加入・支払い開始」とは書いていない。つまり前期にも同額を支払っていて、期首に再振替仕訳が行われていることが前提です。

なぜ残高が「18か月分」になるのか

決算整理前の残高¥180には、実は2つの仕訳分が積み重なっています。タイムラインで確認しましょう。

6
12
6月
123456 789101112 翌1翌2翌3翌4翌5翌6
①再振替仕訳 6か月分(1〜6月) ②7/1支払い 12か月分(7月〜翌6月) 翌期分 → 決算整理で取り消す

残高¥180の内訳

①再振替仕訳分
6か月分
1/1〜6/30
📌 まとめ

残高¥180 = 6か月分 + 12か月分 = 18か月分
だから ¥180 ÷ 18か月 = 1か月¥10

決算整理仕訳の解き方

▶ 計算手順
📐 ステップごとに計算する
残高が何か月分か 6か月(再振替)+ 12か月(支払い)= 18か月分
1か月あたりの保険料 ¥180 ÷ 18か月 = ¥10
翌期分(1〜6月) ¥10 × 6か月 = ¥60 → 取り消す
▶ 決算整理仕訳
借 方
前払保険料60
貸 方
支払保険料60

決算整理の前後で残高がどう変わるか

決算整理前
支払保険料 ¥180(18か月分)
前払保険料 ¥0
決算整理後
支払保険料 ¥120(当期12か月分)
前払保険料 ¥60(翌期6か月分)
「当期12か月分」が損益計算書に、「翌期6か月分」が貸借対照表に計上される
支払保険料¥120は費用として当期のP/Lに。前払保険料¥60は資産として当期末のB/Sに載ります。これで発生主義の原則どおりに整理できます。

翌期首の再振替仕訳(来年1/1)

翌期首には決算整理仕訳の逆をするだけです。

借 方
支払保険料60
貸 方
前払保険料60

この再振替仕訳をするから、来年の決算整理前残高にも「6か月分」が積み重なって18か月分になります。毎年このサイクルが繰り返されます。

「当期から加入」の場合は12か月で割る!
問題文に「当期7/1から保険に加入した」と書いてある場合は、再振替仕訳がありません。残高は支払い時の12か月分のみなので、¥180 ÷ 12か月 = ¥15 で計算します。問題文を必ず確認しましょう。

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📋 まとめ:毎年同額の前払い 解き方フロー

「毎年同額」の問題と気づく 再振替仕訳分が残高に含まれている
残高が何か月分か計算 再振替月数 + 支払い月数(今回は6+12=18)
1か月あたりの金額 残高 ÷ 合計月数(¥180÷18=¥10)
翌期分を取り消す 前払費用 / 支払費用
「当期から加入」と書いてある場合 再振替なし → 支払い月数のみで割る

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