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日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日
減価償却(定額法)の計算と仕訳
間接法・売却まで完全解説
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
「減価償却費? 減価償却累計額? なにが違うの……」と混乱していませんか?
この記事では計算式の意味から間接法の仕訳、さらに固定資産売却の処理まで順番に解説します。
定額法の計算パターンさえ身につければ、試験で確実に得点できる論点です。
減価償却とは? まず言葉の意味から
たとえば100万円のトラックを買ったとします。このトラックは5年後にはボロボロになって10万円の価値しか残りません。
「じゃあ、価値が減った分(90万円)をどう記録するの?」という疑問に答えるのが減価償却です。毎年少しずつ費用として計上することで、固定資産の価値の目減りを帳簿に反映させます。
まず押さえる3つの用語
取得原価
固定資産を買ったときの値段。購入代金+付随費用(送料など)も含む。
耐用年数
その資産を何年使えるか。問題文に必ず書いてある。
残存価額
耐用年数が終わったあとに残る価値。「取得原価の10%」や「0円」などと指定される。
減価償却費
1年分の目減り額。費用勘定なので損益計算書に載る。
定額法の計算式
📐 定額法 計算式
減価償却費
=
(
取得原価
−
残存価額
)
÷
耐用年数
毎年同じ金額を費用として計上するのが「定額法」。簿記3級はこれだけ覚えればOK。
残存価額が「0円」のパターンも多い!
問題文に「残存価額は取得原価の10%」と書いてあれば引き算してから割る。「残存価額ゼロ」なら取得原価そのままを耐用年数で割るだけ。問題文をよく読もう。
例題で確認しよう
パターン①:基本の減価償却(間接法)
例題
¥1,000で購入した備品について定額法により減価償却を行う。残存価額は取得原価の10%、耐用年数は5年とする。間接法で記帳している。
▶ まず計算
📐 計算手順
(
1,000
−
1,000×10%
)
÷
5年
=
180
▶ 解答
「間接法」とは?
直接「備品」の金額を減らすのではなく、減価償却累計額という別の勘定を使う方法。備品の帳簿価額は「備品 − 減価償却累計額」で計算できる。試験では間接法が圧倒的に多く出題される。
固定資産を売却したときの仕訳
売却の仕訳は一度に書こうとすると混乱します。4ステップで順番に書くのがコツです。
例題
5年前に取得した車両(取得原価¥900、減価償却累計額¥600、当期減価償却費¥100)を¥300で売却した。売却代金は翌月末受け取る。
▶ 4ステップで解く
1
当期分の減価償却費を計上する
期首から売却日までの分を先に費用計上。
2
売却代金の受け取り方を書く
翌月末受け取り → 現金ではなく「未収入金」。即日受け取りなら「現金」。
3
車両と累計額をゼロにする
売却したので「車両」を貸方へ、「減価償却累計額」を借方へ。
4
差額で売却損益を確定
左右のバランスを見て、借方が足りなければ「固定資産売却損(借方)」、貸方が足りなければ「固定資産売却益(貸方)」。
▶ 解答
借 方
減価償却累計額600
減価償却費100
未収入金300
売却益・売却損の見分け方
帳簿価額(取得原価 − 累計額 − 当期償却費)= 900 − 600 − 100 = 200
売却額300 > 帳簿価額200 → 差額100は固定資産売却益(貸方)
売却額が帳簿価額より低ければ固定資産売却損(借方)になる。
「未収入金」と「売掛金」の違いに注意!
売掛金は商品を売ったときに使う。固定資産の売却代金は営業外取引なので「未収入金」を使う。同じ「後で受け取るお金」でも勘定科目が違う。
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📋 まとめ:減価償却(定額法)パターン一覧
定額法の計算式
(取得原価 − 残存価額)÷ 耐用年数
間接法の仕訳(毎年)
減価償却費 / 減価償却累計額
固定資産売却(代金即日)
現金 を使う
固定資産売却(代金後払い)
未収入金 を使う(売掛金NG)
売却額 > 帳簿価額
固定資産売却益(貸方)
売却額 < 帳簿価額
固定資産売却損(借方)