日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日

労務費とは?
直接労務費・間接労務費を解説【簿記2級】

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

労務費は、製品を作るために働いた人にかかる原価です。材料費に比べるとイメージしにくいですが、ポイントは「作業時間を製品に直接ひもづけられるか」です。直接労務費と間接労務費の区別を押さえれば、工業簿記の流れがかなり見えやすくなります。

先に結論:労務費は「製造に関わる人件費」です。製品に直接関係する作業時間は直接労務費、補助作業や監督作業などは間接労務費として扱います。

労務費とは

労務費とは、製品を作るために発生した人件費です。工場で作業する人への賃金や給料が中心になります。

商業簿記では人件費を「給料」などの費用として処理しますが、工業簿記では製品を作るための人件費を製造原価として扱います。

直接労務費と間接労務費

分類意味
直接労務費どの製品のために作業したか直接わかる労務費特定の製品を加工した直接工の賃金
間接労務費どの製品のためか直接わけにくい労務費監督者の賃金、補助作業、手待時間、間接工の賃金

材料費と同じで、判断軸は「特定の製品に直接ひもづくか」です。直接作業時間に対応する賃金は直接労務費、それ以外は間接労務費に入ります。

労務費の基本計算

直接労務費は、作業時間と賃率で計算します。

直接労務費 = 直接作業時間 × 賃率

たとえば直接作業時間が80時間、賃率が1時間あたり1,500円なら、直接労務費は120,000円です。

直接労務費が発生したとき
仕掛品 120,000賃金 120,000

直接労務費は、製品の原価へ直接入るので「仕掛品」に振り替えます。

間接労務費が発生したとき
製造間接費 30,000賃金 30,000

間接労務費は、いったん製造間接費に集めてから製品へ配賦します。

直接工と間接工

工業簿記では、作業者を直接工と間接工に分けて考えることがあります。

区分意味
直接工製品の加工に直接関わる作業者
間接工修繕・運搬・補助作業など、製品加工を支える作業者

ただし、直接工の賃金がすべて直接労務費になるわけではありません。直接工でも、手待時間や間接作業時間は間接労務費になります。

ここがひっかけ:「直接工の賃金 = 直接労務費」と丸暗記するとミスします。直接工の作業時間のうち、直接作業時間だけが直接労務費です。

予定賃率と賃率差異

工業簿記では、予定賃率を使って労務費を計算することがあります。予定賃率とは、あらかじめ決めた1時間あたりの賃金単価です。

賃率差異 = (予定賃率 - 実際賃率) × 実際作業時間

差異分析は、予定で計算した金額と実際の金額のズレを調整するためのものです。最初は「予定を使うとズレが出るから、あとで差異を計算する」と理解できれば十分です。

労務費でよくあるミス

まとめ

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よくある質問

直接労務費と間接労務費の違いは?
製品に直接ひもづく作業時間の賃金が直接労務費です。補助作業・監督・手待時間など、直接わけにくいものは間接労務費です。
直接工の賃金は全部直接労務費ですか?
いいえ。直接工でも、手待時間や間接作業時間は間接労務費になります。直接作業時間だけを直接労務費として扱います。

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