日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日

簿記2級の連結会計とは?
連結修正仕訳・のれんを初心者向けに解説

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

連結会計は、簿記2級 商業簿記で最もつまずきやすい論点です。親会社と子会社を「1つの企業グループ」として見せるため、個別財務諸表を合算し、グループ内取引や親会社の子会社株式を修正します。

先に結論:連結会計は「親会社と子会社を1つの会社のように見せる処理」です。簿記2級では、支配獲得日の資本連結、のれん、非支配株主持分、連結修正仕訳の型を押さえることが最優先です。

連結会計とは

連結会計とは、親会社と子会社をまとめて、企業グループ全体の財務諸表を作る会計です。親会社だけの財務諸表では、子会社を含めたグループ全体の実態が見えません。

たとえば親会社が子会社を支配している場合、投資家は親会社単体ではなく、グループ全体でどれだけ資産・負債・利益があるかを知りたいはずです。そのために連結財務諸表を作ります。

親会社と子会社

用語意味
親会社他の会社を支配している会社
子会社親会社に支配されている会社
企業集団親会社と子会社を合わせたグループ
連結財務諸表企業集団を1つの会社のように見せる財務諸表

簿記2級では、親会社が子会社株式の過半数を取得して支配したケースを中心に学習します。

連結会計の基本手順

親会社と子会社の財務諸表を合算する:まずは資産・負債・純資産・収益・費用を単純に足す。
親会社の子会社株式を消す:グループ内部で見ると、子会社株式は外部への資産ではないため消去する。
子会社の純資産を消す:子会社株式と対応する子会社の資本を相殺する。
のれん・非支配株主持分を計算する:買収金額と子会社純資産の差額、親会社以外の持分を整理する。
グループ内取引を消す:親子間の売上・仕入・債権債務などを消去する。

資本連結とは

資本連結とは、親会社が持っている子会社株式と、子会社の純資産を相殺消去する処理です。連結会計の入口であり、簿記2級で最初に固めるべき部分です。

親会社の個別財務諸表では、子会社株式は資産として表示されています。しかしグループ全体で見ると、親会社が子会社を持っているだけなので、子会社株式をそのまま残すと二重に見えてしまいます。

のれんとは

のれんとは、子会社を買った金額が、子会社の純資産の親会社持分を上回る場合に出る差額です。ブランド力、技術力、顧客基盤など、帳簿には直接出ていない価値と考えるとイメージしやすいです。

のれん = 子会社株式の取得原価 - 子会社純資産の親会社持分

簿記2級では、のれんを計算し、一定期間で償却する処理まで問われます。

非支配株主持分とは

非支配株主持分とは、子会社の純資産のうち、親会社以外の株主に帰属する部分です。親会社が子会社株式を100%持っていない場合、子会社の一部は外部株主のものです。

たとえば親会社が子会社株式の80%を持っているなら、残り20%は非支配株主持分です。連結財務諸表では、子会社を100%合算したうえで、親会社以外の持分を区分して表示します。

連結修正仕訳のイメージ

支配獲得日に、親会社が子会社株式を800,000円で取得し、子会社の資本金が600,000円、利益剰余金が300,000円だったとします。親会社の持分比率は80%です。

子会社純資産 900,000円 × 80% = 親会社持分 720,000円
のれん = 取得原価 800,000円 - 親会社持分 720,000円 = 80,000円
非支配株主持分 = 900,000円 × 20% = 180,000円
借方金額貸方金額
資本金600,000子会社株式800,000
利益剰余金300,000非支配株主持分180,000
のれん80,000

この仕訳で、子会社の純資産と親会社の子会社株式を消し、差額としてのれんと非支配株主持分を認識します。

連結会計でよく出る修正

修正内容
資本連結子会社株式と子会社純資産を相殺する
のれん償却のれんを一定期間で費用化する
債権債務の消去親子間の売掛金・買掛金などを消す
取引高の消去親子間の売上・仕入などを消す
未実現利益の消去グループ内取引で残った利益を消す

よくあるミス

判断の軸:連結会計は、仕訳より先に「グループ全体で見たら何を消すべきか」を考えましょう。内部の投資、内部の売上、内部の債権債務は、グループ外部との取引ではありません。

勉強の順番

  1. 親会社・子会社・連結財務諸表の意味を理解する
  2. 支配獲得日の資本連結を固める
  3. のれんと非支配株主持分を計算できるようにする
  4. のれん償却を加えた連結修正仕訳を練習する
  5. 債権債務・取引高・未実現利益の消去へ進む

まとめ

⚔ 連結会計は型で攻略しよう

スタディクエストで商業簿記の学習時間を記録し、最難関論点を少しずつ経験値に変えましょう。

無料で学習記録を始める →

よくある質問

連結会計とは何ですか?
親会社と子会社を1つの企業グループとして見せるために、連結財務諸表を作る会計です。
資本連結とは何ですか?
親会社が持つ子会社株式と、子会社の純資産を相殺消去する処理です。
のれんとは何ですか?
子会社株式の取得原価が、子会社純資産の親会社持分を上回る場合に発生する差額です。
簿記2級の連結会計は何から勉強すべきですか?
まず支配獲得日の資本連結を固めましょう。のれん、非支配株主持分、連結修正仕訳の型が見えると後続論点も理解しやすくなります。

関連記事

簿記2級
簿記2級の勉強時間・独学合格ロードマップ
工業簿記
工業簿記とは?商業簿記との違い
立て直し
簿記2級に落ちた後の対策
次の資格
公認会計士試験の勉強法