日商簿記2級 | 公開:2026年5月9日
CVP分析とは?
損益分岐点売上高・安全余裕率を解説【簿記2級】
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
CVP分析は、原価・販売量・利益の関係を見て「いくら売れば黒字になるか」「目標利益にはどれくらい売上が必要か」を考える論点です。簿記2級では、直接原価計算の考え方とセットで出題されます。
先に結論:CVP分析は、売上から変動費を引いた貢献利益で固定費を回収できるかを見る分析です。まずは貢献利益率を正しく出すことが勝負です。
CVP分析とは
CVP分析とは、Cost(原価)・Volume(販売量)・Profit(利益)の関係を分析する方法です。売上高が変わると変動費も変わり、貢献利益が変わり、最終的な利益も変わります。
簿記2級では、損益分岐点売上高、安全余裕率、目標利益を達成する売上高などを計算します。名前は難しそうですが、構造は「貢献利益で固定費と目標利益をまかなう」だけです。
CVP分析の基本構造
| 項目 | 意味 | 計算式 |
| 変動費 | 売上や販売量に応じて増える費用 | 売上高 × 変動費率 |
| 貢献利益 | 売上高から変動費を引いた利益 | 売上高 - 変動費 |
| 固定費 | 売上に関係なく一定額発生する費用 | 問題文で与えられることが多い |
| 営業利益 | 貢献利益から固定費を引いた利益 | 貢献利益 - 固定費 |
営業利益 = 売上高 - 変動費 - 固定費
営業利益 = 貢献利益 - 固定費
貢献利益率と変動費率
CVP分析では、貢献利益率と変動費率を使います。この2つはセットで覚えると楽です。
変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
貢献利益率 = 貢献利益 ÷ 売上高
貢献利益率 = 1 - 変動費率
売上高1,000,000円、変動費600,000円なら、変動費率は60%、貢献利益率は40%です。
損益分岐点売上高
損益分岐点売上高とは、営業利益が0になる売上高です。つまり、貢献利益で固定費をちょうど回収できる売上高です。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 貢献利益率
固定費が300,000円、貢献利益率が40%なら、損益分岐点売上高は750,000円です。750,000円売ると貢献利益が300,000円になり、固定費をちょうど回収できます。
安全余裕率
安全余裕率とは、実際の売上高が損益分岐点売上高をどれくらい上回っているかを示す割合です。余裕が大きいほど、売上が少し落ちても赤字になりにくい状態です。
安全余裕率 = (実際売上高 - 損益分岐点売上高) ÷ 実際売上高
実際売上高が1,000,000円、損益分岐点売上高が750,000円なら、安全余裕率は25%です。
目標利益を達成する売上高
目標利益を達成する売上高は、固定費だけでなく、目標利益も貢献利益で回収するように考えます。
目標利益達成売上高 = (固定費 + 目標利益) ÷ 貢献利益率
固定費300,000円、目標利益100,000円、貢献利益率40%なら、必要な売上高は1,000,000円です。
例題で確認
売上高1,500,000円、変動費900,000円、固定費450,000円の場合を考えます。
貢献利益:1,500,000円 - 900,000円 = 600,000円
貢献利益率:600,000円 ÷ 1,500,000円 = 40%
営業利益:600,000円 - 450,000円 = 150,000円
損益分岐点売上高:450,000円 ÷ 40% = 1,125,000円
安全余裕率:(1,500,000円 - 1,125,000円) ÷ 1,500,000円 = 25%
よくあるミス
- 貢献利益率と変動費率を逆に使ってしまう
- 損益分岐点売上高で、固定費を変動費率で割ってしまう
- 目標利益を足し忘れて、損益分岐点売上高を答えてしまう
- 安全余裕率の分母を損益分岐点売上高にしてしまう
- 営業利益と貢献利益を同じものとして扱ってしまう
判断の軸:CVP分析は公式暗記より、貢献利益で何を回収するかを考えると崩れません。損益分岐点なら固定費、目標利益なら固定費と目標利益です。
まとめ
- CVP分析は、原価・販売量・利益の関係を見る分析
- 貢献利益は売上高から変動費を引いた利益
- 損益分岐点売上高は固定費を貢献利益率で割って求める
- 安全余裕率は、実際売上高が損益分岐点をどれだけ上回るかを見る
- 目標利益達成売上高は、固定費と目標利益を貢献利益率で割って求める
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