日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日

精算表の書き方(8桁精算表)
決算整理から財務諸表まで図解解説

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

精算表は試算表に決算整理仕訳を加え、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)を一枚のワークシートで完成させるものです。列が「試算表・修正記入・P/L・B/S」の8桁(8欄)あることから8桁精算表と呼ばれます。

① 8桁精算表の構造

精算表は左から「勘定科目」+8列(4ペア)で構成されます。

勘定科目 ①試算表 ②修正記入 ③損益計算書 ④貸借対照表
借方貸方 借方貸方 借方貸方 借方貸方
現金200200
売掛金300300
繰越商品100200100200
買掛金150150
資本金500500
売上800800
仕入500100200400
減価償却費5050
減価償却累計額10050150
合計1,1001,100450800700350
当期純利益350350
最終合計800800700700

※数字は説明用の簡略例です。単位:千円

② 勘定科目は「5つの要素」で覚える

精算表を正確に解くには、各勘定科目がどの要素に属するかを把握していることが大前提です。要素は全部で5つあり、この要素によってP/L欄・B/S欄のどちらに記入するかが決まります。

要素精算表の列代表的な勘定科目
資産 B/S 借方 現金、当座預金、売掛金、繰越商品、建物、備品、前払費用、未収収益 など
負債 B/S 貸方 買掛金、借入金、未払金、前受収益、未払費用、貸倒引当金 など
純資産 B/S 貸方 資本金、繰越利益剰余金 など
収益 P/L 貸方 売上、受取利息、受取手数料、雑益 など
費用 P/L 借方 仕入、給料、減価償却費、支払利息、貸倒引当金繰入、雑損 など
暗記のコツ:「費収 → P/L」「資負純 → B/S」
費用・収益はP/L(損益計算書)欄へ、資産・負債・純資産はB/S(貸借対照表)欄へ。
借方・貸方の向きは「通常残高」と同じ方向です(資産→借方、負債・純資産→貸方、費用→借方、収益→貸方)。試算表で各勘定科目の残高がどちら側にあるかを確認する習慣をつけましょう。

③ 精算表の作成手順

1
試算表欄に残高を転記する
決算前の各勘定の残高を「試算表」借方・貸方に記入します。
2
決算整理仕訳を「修正記入」欄に記入する
減価償却費の計上、繰越商品の振替、貸倒引当金の設定、経過勘定の調整など。
3
試算表 ± 修正記入 を計算し、P/L または B/S に振り分ける
収益・費用の勘定 → P/L欄、資産・負債・純資産の勘定 → B/S欄。
4
P/L・B/S それぞれ合計して当期純利益(または損失)を求める
P/Lの貸方合計 − 借方合計 = 当期純利益(プラスなら利益、マイナスなら損失)。
5
当期純利益を P/L 借方・B/S 貸方に記入して締め切る
左右の合計が一致したら精算表の完成です。

④ 主な決算整理仕訳(修正記入欄に記入するもの)

精算表で最も重要なのが修正記入欄への決算整理仕訳の転記です。

① 売上原価の計算(三分法→繰越商品の振替)

期首在庫を仕入に振替
仕入期首商品繰越商品期首商品
期末在庫を仕入から除外
繰越商品期末商品仕入期末商品

② 減価償却費の計上

仕訳
減価償却費xxx減価償却累計額xxx

③ 貸倒引当金の設定(差額補充法)

追加積立が必要な場合
貸倒引当金繰入追加額貸倒引当金追加額

④ 経過勘定の調整

例:未払費用の計上
○○費未払額未払○○費未払額
B/SとP/Lの振り分けルール
収益(売上・受取利息など)→ P/L 貸方
費用(仕入・給料・減価償却費など)→ P/L 借方
資産(現金・売掛金・繰越商品など)→ B/S 借方
負債(買掛金・未払金など)・純資産 → B/S 貸方
試験でよくあるミス
① 修正記入の数字を試算表に足し引きせず、そのままP/L・B/Sに移してしまう
② 「減価償却累計額」を B/S 貸方に忘れる(資産のマイナス項目)
③ 当期純利益の入れる列を逆にする(P/L→借方、B/S→貸方)

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📋 まとめ:精算表 早見表

試算表欄決算整理前の残高を転記
修正記入欄決算整理仕訳(商品振替・減価償却・貸倒引当金・経過勘定)を記入
P/L欄収益(貸方)・費用(借方)の勘定を振り分け
B/S欄資産(借方)・負債・純資産(貸方)の勘定を振り分け
当期純利益P/L借方・B/S貸方に記入して左右を一致させる