日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日

固定資産の取得・売却の仕訳
付随費用・売却損益を図解で完全解説

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

建物・備品・車両など長期間使う資産を固定資産といいます。取得時は付随費用を含めた金額で記録し、売却時は帳簿価額と売却価格の差額で損益を計算します。減価償却(定額法)の記事と合わせて読むと理解が深まります。

① 固定資産を取得したときの仕訳

固定資産を購入するときは、本体価格+付随費用(送料・設置費など)をまとめて資産の取得原価として記録します。

例題

備品 ¥500,000 を購入し、送料・設置費用 ¥20,000 とともに現金で支払った。

仕訳
備品520,000現金520,000
付随費用も取得原価に含める!
送料・設置費・登記料など、資産を使えるようにするためにかかった費用はすべて取得原価に含めます。別途「費用」として処理してはいけません。

② 固定資産を売却したときの仕訳

売却時は「帳簿価額」と「売却価格」を比べて、差額を固定資産売却損(費用)または固定資産売却益(収益)として記録します。

売却価格 < 帳簿価額
固定資産売却損(費用)
高く買ったのに安く売った → 損失が発生。借方に「固定資産売却損」を記録。
売却価格 > 帳簿価額
固定資産売却益(収益)
帳簿より高く売れた → 利益が発生。貸方に「固定資産売却益」を記録。

売却損が出る例題

例題①(売却損)

取得原価 ¥600,000・減価償却累計額 ¥200,000 の備品を ¥350,000 で現金売却した。

取得原価600,000
- 減価償却累計額△ 200,000
帳簿価額400,000
売却価格350,000
固定資産売却損50,000
仕訳
現金350,000備品600,000
減価償却累計額200,000
固定資産売却損50,000

売却益が出る例題

例題②(売却益)

取得原価 ¥600,000・減価償却累計額 ¥200,000 の備品を ¥450,000 で現金売却した。

取得原価600,000
- 減価償却累計額△ 200,000
帳簿価額400,000
売却価格450,000
固定資産売却益50,000
仕訳
現金450,000備品600,000
減価償却累計額200,000
固定資産売却益50,000
貸方に「備品」を取得原価で記録する!
減価償却後の帳簿価額(¥400,000)ではなく、取得原価(¥600,000)を貸方に記録します。減価償却累計額を借方に出して相殺するのがポイントです。

③ 期中売却(月割り計算)

会計期間の途中で売却する場合、売却月までの減価償却費を計上してから売却の仕訳をします。

例題③(期中売却)

期首帳簿価額 ¥400,000 の備品(年間減価償却費 ¥60,000)を、期首から6か月後に ¥340,000 で売却した。

ステップ① 当期分の減価償却費を計上(6か月分)
減価償却費30,000減価償却累計額30,000
ステップ② 売却の仕訳(帳簿価額 400,000−30,000=370,000)
現金340,000備品※取得原価
減価償却累計額※累計額
固定資産売却損30,000
期中売却の手順
① 月割りで当期の減価償却費を計上 → ② その後で売却仕訳
60,000 × 6/12 = 30,000円を先に計上し、帳簿価額を更新してから売却損益を計算します。

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📋 まとめ:固定資産 早見表

取得時固定資産(取得原価+付随費用)/ 現金など
売却時(借方)現金 + 減価償却累計額 + 売却損(あれば)
売却時(貸方)固定資産(取得原価)+ 売却益(あれば)
売却損の発生条件売却価格 < 帳簿価額(費用)
売却益の発生条件売却価格 > 帳簿価額(収益)
期中売却①月割り減価償却費を計上 → ②売却仕訳