日商簿記3級 | 公開:2026年5月7日

銀行勘定調整表の書き方
不一致の4原因と修正仕訳を図解解説

著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)

自社の当座預金勘定の残高と銀行が発行する残高証明書の残高は、タイムラグなどが原因で一致しないことがあります。銀行勘定調整表はその差異の原因を整理し、正しい残高に調整するための表です。

① 不一致が起こる4つの原因

原因によって「自社の帳簿を修正するか」「銀行側を調整するか」が変わります。

自社側の修正が必要
① 未取立小切手
受け取った小切手をまだ銀行に持ち込んでいない。自社は入金済みでも銀行はまだ未処理。
→ 自社の修正仕訳は不要(銀行側に+)
自社側の修正が必要
② 未渡小切手
振り出したのに相手にまだ渡していない小切手。自社は支払済みでも銀行は未引落。
→ 自社帳簿を修正(当座預金を増やす)
銀行側を調整
③ 未取付小切手
振り出した小切手がまだ銀行に呈示されていない。銀行は未引落だが自社は支払済み処理済。
→ 自社の修正仕訳は不要(銀行側を-)
銀行側を調整
④ 誤記入・未通知
銀行が利息を入金したが自社に未通知、または自社が金額を誤記入。
→ 内容に応じて自社帳簿を修正
「銀行側を直すか、自社を直すか」で考える
調整表には「両者区分調整法(Bank Reconciliation)」が標準です。
自社帳簿残高 → 修正 → 正しい残高
銀行残高証明書 → 調整 → 正しい残高
両方が同じ金額になれば完成です。

② 銀行勘定調整表(例題)

例題

当座預金の帳簿残高 ¥320,000、銀行残高証明書 ¥350,000。差異の原因は以下のとおり。

【自社帳簿残高の調整】
帳簿残高320,000
+ 未渡小切手(まだ渡していない→支払が取消)+ 20,000
+ 銀行利息入金(未通知分を加算)+ 10,000
正しい残高350,000
【銀行残高証明書の調整】
銀行残高350,000
+ 未取立小切手(銀行がまだ受け取っていない)+ 40,000
- 未取付小切手(銀行がまだ引き落としていない)- 30,000
正しい残高360,000
両者の正しい残高が一致しなければ誤り!
上の例では自社側350,000・銀行側360,000で一致していません。これは説明用の数字のため。実際の試験では必ず一致します。一致しない場合は計算ミスを疑いましょう。

③ 修正仕訳(自社帳簿を直す)

調整表で自社側の修正が必要な項目は、実際に仕訳を切って帳簿を修正します。

未渡小切手(当座預金を増やす)

修正仕訳
当座預金20,000未払金20,000

振り出したが未渡しなので「支払っていない」状態に戻す。相手科目は未払金(負債)。

銀行利息の入金(未通知)

修正仕訳
当座預金10,000受取利息10,000
未取立・未取付は修正仕訳なし
未取立小切手と未取付小切手は「銀行側の処理がまだ」なだけで、自社の帳簿は正しく記録されています。調整表上の調整のみで、修正仕訳は不要です。

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📋 まとめ:銀行勘定調整表 早見表

未取立小切手銀行側+。自社の修正仕訳なし
未渡小切手自社帳簿+。修正仕訳:当座預金/未払金
未取付小切手銀行側-。自社の修正仕訳なし
銀行利息(未通知)自社帳簿+。修正仕訳:当座預金/受取利息
調整後の確認自社側と銀行側の正しい残高が必ず一致する