日商簿記3級 | 公開:2026年5月8日
クレジット売掛金の仕訳
信販会社との取引と手数料処理を例題で解説【日商簿記3級】
著者:大谷 一輝(大阪経済大学3回生・日商簿記1級勉強中)
クレジット販売では、代金を受け取るのは顧客ではなく信販会社からです。通常の売掛金と区別するため「クレジット売掛金」という勘定科目を使います。また、信販会社に支払う手数料の処理タイミングが試験で問われます。
① クレジット販売の流れ
クレジット販売では3者(当社・顧客・信販会社)が登場します。
顧客は信販会社に後払いしますが、当社は信販会社から(手数料差引後の)代金を受け取ります。この「信販会社に対する債権」がクレジット売掛金です。
② 販売時の仕訳
商品10,000円をクレジットカードで販売。信販会社の手数料率は3%(300円)の場合を考えます。
手数料の計上タイミングによって2パターンあります。
パターンA:手数料を販売時に計上する場合(問題文に指示がある場合)
仕訳(販売時・手数料率3%)
クレジット売掛金9,700
/
売上10,000
支払手数料300
クレジット売掛金 = 10,000 − 300(手数料)= 9,700円。販売時に手数料も費用計上するパターン。
パターンB:手数料を入金時に計上する場合(指示がない場合の標準)
仕訳(販売時)
クレジット売掛金10,000
/
売上10,000
販売時は手数料を計上せず、クレジット売掛金を販売価格の全額(10,000円)で計上する。
③ 入金時の仕訳(手数料を販売時に計上した場合)
パターンAの場合、信販会社から9,700円が入金された時の仕訳です。
仕訳(信販会社から入金 9,700円)
現金9,700
/
クレジット売掛金9,700
手数料はすでに販売時に費用計上済みなので、入金時は単純にクレジット売掛金を消去します。
④ 入金時の仕訳(手数料を入金時に計上する場合)
パターンBの場合、信販会社から9,700円(手数料300円差引後)が入金された時の仕訳です。
仕訳(信販会社から入金 9,700円・手数料300円差引)
現金9,700
/
クレジット売掛金10,000
支払手数料300
クレジット売掛金(10,000円)を消去し、実際の入金額9,700円と手数料300円に分けて計上します。
手数料の計上タイミングは問題文の指示に従う
「クレジット手数料は販売時に計上する」と指示があればパターンA、指示がなければパターンBが一般的です。試験では問題文をよく読んで、どちらのパターンかを判断しましょう。
⑤ 通常の売掛金との違い
| 比較項目 |
通常の売掛金 |
クレジット売掛金 |
| 勘定科目 |
売掛金 |
クレジット売掛金 |
| 代金の回収相手 |
顧客(得意先)から直接 |
信販会社から |
| 手数料の負担 |
なし |
信販会社への手数料あり(支払手数料) |
| 回収金額 |
売上金額と同額 |
売上金額から手数料を差し引いた金額 |
| 貸倒リスク |
得意先の信用リスクあり |
信販会社が保証(原則リスクなし) |
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練習問題
以下の取引について仕訳しなさい(手数料は販売時に計上する)。
- ① 商品50,000円をクレジットカードで販売した。信販会社の手数料率は2%である。
- ② 後日、信販会社から①の代金が当座預金に振り込まれた。
ポイント:手数料 = 50,000 × 2% = 1,000円。クレジット売掛金 = 50,000 − 1,000 = 49,000円。
まとめ:クレジット売掛金 仕訳早見表
販売時(手数料を販売時計上)クレジット売掛金+支払手数料 / 売上
入金時(手数料を販売時計上)現金 / クレジット売掛金(手数料差引後の金額)
販売時(手数料を入金時計上)クレジット売掛金 / 売上(売上全額)
入金時(手数料を入金時計上)現金+支払手数料 / クレジット売掛金(全額)
通常の売掛金との違い回収相手が信販会社・手数料が発生する